極悪彼氏
これは想羽さんが未来ある若い力を潰さないために始めたこと。



想羽さんがいなくなってから、やる気をなくして解散していた。



バラバラになったこのチームはまとめるヤツもいなくて。



想羽さんの死後、犯罪は急激に増えてった。



俺たちはそういうことをやらない。



そしてさせない。



自分が大人になった時、笑って酒が飲める人生を送れと。



きっときれいごとだとか言われたはず。



だけど想羽さんの考えは間違ってない。



『強いってのは善にも悪にもなれんだ。周りから見りゃ、基本的に悪だけどな。だからその代わり、有り余る力で少しくらいいいことしようや』



だから俺はここにいる。



もし、想羽さんがいなければ…俺は今、どんなイカレたヤツになってるのかわからない。



それを思い返すことができたのは、夢羽に出会ってからだと思う。



アイツがあのネックレスを持っていたから。



俺の中の想羽さんは生き返ってくれたんだ。



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