Sweet bitter
「でも…課長はそんなあたしを正しい方向へ導いてくれたの。あたし…課長と出会えて良かった」
あたしはニコッと汐莉に向かって微笑んだ。
「カナ…今までで一番良い顔してるわ。小田桐課長、とってもいい人だものね」
汐莉は優しく笑う。
汐莉に話せて良かった…。
彼女は…あたしの大事な親友だから。
「――じゃあまた明日ね!」
「えぇ。じゃあね!」
数時間後、汐莉と別れ、家に帰るあたし。
もうかなり暗いし…。
早く帰ろう…
そう思った矢先。
「カナ?」
後ろから愛しい声がした。