Sweet bitter
「ねぇ、カナ…あのさ。カナは何で…俺を好きになったの?」
「……っ…え…?」
体勢を仰向けにされて、葵衣さんと向き合う。
「何でって…?」
あたしは遠慮がちに彼を見上げた。
「ん〜…俺のどこを好きになったとか…好きになった成り行きとかさ」
彼は一旦、あたしの中から出る。
「えっ…と…どこ、と言われましても……」
あたしはモゴモゴと喋る。
「何?遊びとかじゃないだろ?」
葵衣さんは不機嫌そうに顔をしかめた。