宵闇の世界 -world of twilight-
「部屋に案内しますね」
カップを洗い終わった捺瀬が部屋に戻ってきて、辰樹にそう告げる。
眠気は襲ってこないものの、体が疲労を訴えていた辰樹は頷いた。
椅子から立ち上がり、捺瀬の後に続く。
キッチンへと続く扉、浴室へと続く扉。
そのどちらでもなく、スラストが消えた扉を捺瀬は静かに開ける。
「意外と広いんだな」
「外見は小さな小屋ですけど、中は魔力によって広く作られてるんです」
「それはスラストが?」
「スラストと麗藍です。二人には感謝してるんです」
扉の向こうは更に4つの扉があり、見た目以上に広かった。
捺瀬のためにスラストと麗藍が作った家に、捺瀬はただただ感謝してるようだった。
捺瀬は右から3番目の部屋のドアを指差した。
その後、その隣の右から4番目のドアを指差す。
「3番目の部屋を使ってください。私はその隣の4番目の部屋です」
「ありがとう」
辰樹はそう答え、1番目のドアと2番目のドアを順番に見つめた。
その視線に捺瀬は気づき、1番目のドアへと視線を向ける。
ドアの隙間からかすかに明かりが漏れていた。
「1番目の部屋に麗藍がいます。今はスラストが一緒です。たぶん2番目の部屋には今日は戻らないと思いますが」
「いつも二人ともここに?」
「いえ。二人ともきちんと住むところがあります。たびたび遊びに来てくれるのでこうして部屋があります」
「麗藍は大丈夫なのか?」
「……スラストがついてます。大丈夫です」
捺瀬はそういって、1番目のドアをほんの少し開けた。
絹ずれの音がかすかに聞こえた。
さらに聞こえる息遣いの音。
視線には少ししか見えないが、白い素足が見えた。
辰樹はこれ以上見たくも、聞きたくもなく、捺瀬に無言で視線を向けた。
捺瀬はそれに気づき、音を立てないようにドアを閉めた。
カップを洗い終わった捺瀬が部屋に戻ってきて、辰樹にそう告げる。
眠気は襲ってこないものの、体が疲労を訴えていた辰樹は頷いた。
椅子から立ち上がり、捺瀬の後に続く。
キッチンへと続く扉、浴室へと続く扉。
そのどちらでもなく、スラストが消えた扉を捺瀬は静かに開ける。
「意外と広いんだな」
「外見は小さな小屋ですけど、中は魔力によって広く作られてるんです」
「それはスラストが?」
「スラストと麗藍です。二人には感謝してるんです」
扉の向こうは更に4つの扉があり、見た目以上に広かった。
捺瀬のためにスラストと麗藍が作った家に、捺瀬はただただ感謝してるようだった。
捺瀬は右から3番目の部屋のドアを指差した。
その後、その隣の右から4番目のドアを指差す。
「3番目の部屋を使ってください。私はその隣の4番目の部屋です」
「ありがとう」
辰樹はそう答え、1番目のドアと2番目のドアを順番に見つめた。
その視線に捺瀬は気づき、1番目のドアへと視線を向ける。
ドアの隙間からかすかに明かりが漏れていた。
「1番目の部屋に麗藍がいます。今はスラストが一緒です。たぶん2番目の部屋には今日は戻らないと思いますが」
「いつも二人ともここに?」
「いえ。二人ともきちんと住むところがあります。たびたび遊びに来てくれるのでこうして部屋があります」
「麗藍は大丈夫なのか?」
「……スラストがついてます。大丈夫です」
捺瀬はそういって、1番目のドアをほんの少し開けた。
絹ずれの音がかすかに聞こえた。
さらに聞こえる息遣いの音。
視線には少ししか見えないが、白い素足が見えた。
辰樹はこれ以上見たくも、聞きたくもなく、捺瀬に無言で視線を向けた。
捺瀬はそれに気づき、音を立てないようにドアを閉めた。