宵闇の世界 -world of twilight-
「さてと、なにから話すべきか…」

「まずは自己紹介じゃない?きちんとした自己紹介まだでしょ?」

「たしかに麗藍の言うとおりだね」


スラストの言葉に、麗藍が告げれば同意するように黒羽が頷いた。
捺瀬も蒼維も異存はないようで、軽く頷いている。
それぞれ何度も話の中で、それぞれの名前は聞いているもののやはりきちんと名前は知っておきたい。
それが全員の気持ちだったようだ。


「俺は立木辰樹。辰樹って呼んで貰っていいよ」

「昨日も自己紹介しましたけど、捺瀬です。これからよろしくお願いしますね」

「我も名乗ったが、スラストだ」

「昨日は突然でごめんね。俺は黒羽」

「驚かせてすまなかった。蒼維だ」

「私は麗藍。よろしくね」


辰樹は全員の顔と名前を覚えるかのように、一人ずつ見ていった。
捺瀬は服装は昨日と変わらないものの、少し色合いが違う程度だった。
スラストにいたっては昨日とまったく一緒。
彼は多分同じ服をいくつも持っているのだろう。
黒羽に関しては、昨日の服装をはっきり覚えていなかったので、今日の服装と比較はできなかった。
黒のシャツに黒の皮ジャケット、下も黒の皮のズボン。
ジャケットとズボンはいくつもの細い鎖で繋がっていた。
蒼維は白のマーメイドドレス。
麗藍は白のワンピースにストールだった。


「ここって、服装の統一感ってないんだ?」

「自分の好きな服装をする。ずっとそんな感じだ」

「服は自分で作ったり、村へ買いに行ったりそれぞれ」

「村?」

「その前にこの世界のことから話したほうがいいな」


辰樹の問いかけた『村』に関して説明するために、この世界のことから説明する流れに話が変わった。
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