【番外編】鬼に愛された女【白雲編】
鬼神院のため、俺のために……
「そうか。それはうれしい。……そういえば、お前の名は鬼の名か?」
にっこりと笑う神威だったが、眉間に皺を寄せて俺に尋ねてきた
「いや、人の時の名だが?」
「なら、鬼の名を与えなくてはな。……そうだな……白雲なんてどうだ?」
「白雲?」
「そうだ。今お前の心にはたくさ
んの雲が多い被さっている。そし
て、その白銀髪。あわせて白雲ど
うだ?……いつしか、その雲を吹
き飛ばせるといいな」
嬉しそうに笑う神威
白雲か……
悪くはないな