ライアー ラブ
今日から2週間、あたしと竜…、藤本くんは、母校に教育実習生として、行くことになった。 

たぶん他に何人もいるんだろうけど、あたしが知ってるのは、高校からの友達の竜真だけだった。 

「おい。」 

「ん?」 

「おまえ、分かってんだろうな?なんかやたらスカート短いスーツだけど…。」 

竜真がきつい目をしてマジマジと言う。 

「なにが?」 

意味が分からず、あたしは聞き返す。 

「なにが?じゃねぇよ!いいか?絶ッッ対に生徒に手ぇ出すなよ?」 

「へ?」 

「わかったな?」 

「なっなんで!?あたしはそれだけが楽しみで教育実習なんて来たんだよ!?なんで喰っちゃダメなの!?」 

竜真はあたしの言葉に脱力していた。 

「ほんっっと最低…おまえ。いいか!?生徒に手出したら、単位や資格どころか『犯罪者』扱いだぞ!」 
「は?なんで!?やだ!困る。」 

「分かったら、とにかく実習期間はやめろ。な?」 

「………うん…、じゃバレないように、10人位にしとくよ!」 

「はぁぁ?」 


竜真は「もういい」って、肩を落として歩きだす。 

そんな竜真の心配なんて気にせずに、あたしはすでに周りを歩く高校生を物色していた。


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