【番外編】鬼に愛された女【鋼編】
「父上。鋼です」
「入れ」
失礼します、と、言ってから、鋼と近江は恐る恐る中にはいると、父上が真剣な表情で俺たちを見てきた
「じつはな、頭領がお前たちに会いたがっているんだ。そして、次期頭領をちゃんと守れるかを見極めたいそうだ」
「頭領がそんなことを?」
「今から行く。支度をしなさい」
きっぱりと父上が言うと、近江が控えめに父上に尋ねる
「あの、お父様。それは私もですか?」
「もちろんそうだ。くれぐれも失礼のないようにな」
相変わらず妹には甘い父上
優しい口調で近江の質問に答えた