【番外編】鬼に愛された女【鋼編】
「お前たち、何をしているんだ?」
聞き覚えのある低い声が俺たちを呼んでいる
「……父上」
もちろん父上だ
父上が欄干から顔を出してこちらを見ている
後ろには頭領が立っていた
「おや?鋼は濡れているじゃないか。どうしたんだい?」
頭領が俺の姿を見ていると、父上に尋ねる
しかし、すぐに状況が理解できたらしく、にこにこしながら俺の横に立つ男に話しかけた
「神威。君のせいだね?全く君はいたずら好きなんだから……」