【番外編】鬼に愛された女【鋼編】
「それで、自分になんのようですか?」
「お前の父親、二年前に亡くなられただろう?そのせいで、あまり暮らしもよくないはずだ。……もしよかったら、ともに暮らさぬか?」
「……え?」
なんて言ったんだ?
「あの神威様。私たちがこちらにお邪魔になるのは、さすがに気が引けます」
小さな声で近江が神威様にそう言った
神威様は、不思議そうな顔でこちらを見ると、俺たちの肩に手を置いて
「俺が良いと言っている。だから気にするな」