【番外編】鬼に愛された女【鋼編】
「どこ行った?」
キョロキョロと辺りを見渡していると、欄干のそばで近江が寝ていた
「……寝てる。おい、風邪引くぞ」
身体を揺らすと、近江は目をこすってのろのろと起きた
「……お兄様?」
「眠いなら部屋で寝ろ」
「眠くないもん」
近江は俺の袖を掴んでそう言った
「……本当か?」
「大丈夫だもん。……あっ!ねぇ、早く遊ぼう!」
思い出したかのように近江が言った
すがるように俺の着物を引っ張る