古城のカラス



泉を取り囲む森の、特に太い一本の木の根元に下ろされた。

軟体動物さながらにセラの身体はぐったりと地面に着く。



よくよく考えれば、このまま放っておけば凍死できるんじゃないかと二人同時に考える。


男はとりあえず移動させた女に声をかけようかかけまいか、些か悩んでいるようだった。



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