古城のカラス
そのやり取りを耳だけで聞き取ったらしい男は、目の前の火の無い暖炉を眺めながらぽつり呟いた。
「そもそも食べ物なんて無いよ」
「ありますよ!
昨日ちゃんと買ってきたんですから!」
「あれは、そこのお姉さんは食べられないの。
人間なんだからね」
男は至極当然のことを言っているようにセラには思えたのだが。
しかしホムラは、その黄色い目をぱちくりさせてセラと男を見比べた後、部屋が傾きそうな大絶叫を挙げた。
「ええぇええええええ!!!!!!」