古城のカラス



「おおおおおおお姉さん、人間なんですか」



はいそうですよ、と、この空気で言っていいものか悪いものか。


この形で人間以外にどう判断しろと。


常識的にはそうなる。


「じゃあ父さん、人間拾ってきちゃったんですか」


「そうなるな」


「まずいですよ!
今日は結社の要人が来るって、じゃなくても大旦那様に見つかったら…!」



真っ青になったホムラは、一人頭を抱えたり首を振ったりと、この世の終わりみたいなリアクションを取り続ける。


どうやらセラがいては何かと不都合があるらしいので。



「あの!」



セラはベッドから抜けて痛む足で立ち上がった。


「私すぐに出ていきます!
助けてくれて、どうも有難うございました」


そう言って深々と頭を下げたのだが。




「いやそりゃ無理だ」




とあっさり棄却される。



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