古城のカラス
「ここに、お水置いておきますね」
ホムラは急遽用意されたらしい、白い丸テーブルの上に白い陶器のポットとカップを置いた。
陶器<チャイナ>だなんて、時間がどれだけ掛かったかは計り知れないが、セラは使う側の人間ではなかった。
「すみません…」
「………」
セラがあまり喜ばしくない来客と知ってから、ホムラは少々静かになった。
今だって浮かべているのは苦笑である。
今すぐにでもでていきたい、いかなければならないと強く思った。
しかしながら誰に願おう。