古城のカラス



「あははっ…あはっ、あはははっ」



力を入れた腹が痛い。

無意味な行動に興じる自らが本気で可笑しく思えて、やがて彼女は心から嗤う。


その声が涙に変わるのには、あまり時間はかからなかった。





――…泣いた。

千切れんばかりに悲痛な慟哭は虚しく水面に溶け込んで、月にすら響かない。


惨めだった。


今、ここに『居ること』『全て』彼女には無意味に思える。




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