古城のカラス



「あの、ルーク様と昨日の御人とは血縁なのですか」



「………はい?」



「……………」



「…あれ」




空気が凍る。


冷気の欠片も無い…むしろちょっと湿気に包まれた閲覧室内の空気がカチンと凍った。


なにかまずいことを訊いてしまったらしい空気が読めたのだが、果たしてどうまずいのかが解らず質問者までもが固まってしまう。



「…ふ」



ルークがその空気をぶっ壊して口を抑えた。


顔を隠すように屈むと、広い背中が震えだす。




「ぶっ、ふ、あは、あははははははははははは!!!!」


「……!?」


「と、父さんがわらっ、わら」



「あははははははははは!!!!」






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