古城のカラス
「いやいや傑作だ。
俺とあのクソガキとが血が繋がっているってんなら陛下とだって血縁だろうな!
あはははははは!!」
「違うんですか?
でも、目の色が…それに髪や肌の色だってよく似ていましたし」
「ああー、そりゃあ似ているだろうなあ、あいつもまた『人間』じゃないんだ」
彼は自分の髪を摘まみながら面白そうにそれを眺めた。
初めてみる明るい顔をして。
「人たる権利を剥奪されることを解りやすく言えば『呪われた』と言うが、呪われた奴はたいていこういう髪と目の色になるんだよ。
肌の色は帝国のお国柄だがね。
俺はともかくあいつは、卿はこんな不気味な容貌じゃなかった」
今日に限って饒舌なのはルークも同じことらしい。
とにかく肺が悲鳴を上げるほど笑い転げて、ルークは抜けた腰を椅子に落ち着かせた。
「…っひ、ひー、ひー、あは、あはははははっ、あー腹が痛い」
そりゃあそれだけ笑ったら痛いでしょうよ、とホムラが小さく突っ込んだ。