古城のカラス
第六輪
人であることがどういうことか、わかるか。
人であるということは、多彩な心を持つということだ。
綺麗に咲いた花を見て、君は綺麗だと喜べるか。
友人が傷つけられたら、君は炎の様に怒れるか。
両親が床に伏したら、君は枕を濡らして哀しめるか。
恋人と手を繋いで、不条理に引かれた人生の線路を楽しめるか。
それが幸福と思えるか。
それが不幸と思えるか。