死んだ瞳の綺麗な人間

消せない消えない記憶

・?side・
「僕のために
何でっ!?」

一人の人間が叫ぶ。

「ぐも…んだな…
―っう゛、あ゛…
でも、」

その人間の
腕の中にいる
綺麗な男。

だが
その綺麗な男からは
たくさんの
血が流れていた。

「もお
しゃべるなっ!!」

その男に
言う人間。

「お…れ…ゴフッ」

血を吐きながら
苦しそうに…
だけど
話し続ける男

「しゃべるなっ!!」

泣きながら
叫ぶ人間。

「すき…だ」

男は
人間に言った。

「―……っ!!」

びっくりして
声が出ない人間。

「お前…は…
生…きろ…」

そんな人間に
自分が
死ぬのを悟り
生きろ。と言う男。

「嫌だあっ!!
ぼっ、あたしは
仁と生きたいっ!!
だから
死なないでぇーーッ!!」

人間は女だった。
今はもお
僕ではなく
男ではなく
ただの
女なのだ。

「ごめん…な。
ん゛っガバッゴフッゴフッ」

謝りながら
血を吐き続ける男。

「いやいやいやっ!!」

そんな男に
女は
そろそろだと悟り
拒絶する。

「愛…してる。」

男は
女に言った。

「あた…しも
愛してるよ。」

女も言った。

そして
見つめあい
二人は
最初で最後の
キスをした。

そして
そのまま
男は
死んで逝った。



「イヤアアァァァア──────あああぁぁっ!!!!!」



女の悲痛な
叫び声が
倉庫に
響き渡った。



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