死んだ瞳の綺麗な人間
幹部部屋に戻ると
おも苦しい
空気が流れていた。

まあ
それもそうか。

さっきまでが
さっきまでだしな。

だが俺は
こんな空気を
お構いなしに
空気に聞いた。

「空也。
聞きたい事がある。」

「あ~」

「空也と星羅の
関係は何なんだ?
ただの
兄弟ではないだろ。」

そう俺が言うと
空也は
冷たい顔で
笑いながら
話し始めた。

「俺と星羅は
ちゃんとした
正真正銘の兄弟だ。
だけど
普通の兄弟と
大きく違う所が
一つある。
それわ母親だ。」

母親?

「俺と星羅は
父親は一緒だが
母親が違う。
いわゆる
異母兄弟だな。
俺は本妻の子供で
星羅は愛人の子供。

愛…人…。
まじかよ。

「星羅の母親は
勝手に星羅を生んだ。
だけど
星羅の母親は
すぐに星羅を捨てた。
そして
父親に星羅を渡し
母親はすぐに
姿を消した。」

捨てただと?
最低な母親だな。

「星羅を渡された
俺の父親と母親は
最初星羅を施設に
入れようとしたんだ。
だけど
周りの奴等が
バレた時の
世間体を恐れて
それは辞めさせた。
そして
星羅を
自分の子としてではなく
養子として
菅原の籍に入れた。
それからの
星羅の生活は
ひどかった。
誰からも愛されず
無視をされ続けたんだ。
そして
そんな生活に
終止符を打ったのは
星羅の
中学の入学だった。
星羅は突然
一人暮らしを
始めたんだ。
あいつ等二人は
星羅を見捨てたんだ。」

嘘だろ。

じゃあ
星羅は
二回も
両親から
捨てられたのかよ…




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