死んだ瞳の綺麗な人間
・朔人side・
櫂との電話の後
すぐに
雅也に連絡をし
車を飛ばして
《夢龍》の倉庫まで来た。

「なあ朔人
おかしくねーか?」

「たしかにな…」

「だよな。
まだ動き出すには
はえーよな。」

そうだ。

早すぎる。

アイツの動きが
早すぎる。

こんな早くから
動いたら
警戒されるの何て
分かってるはずだ。

警戒何てされたら
思う様に動く事も
出来ないだろう。

なのに
アイツは
動き出した。

どうしてだろうか。

分からない。

最初から
そうだった。

アイツは分からない。

アイツは
何を考えてるのか
さっぱり
分からない。

だから
あの事件が
起こったんだ。

あの事件は
アイツの事を
少しでも
警戒していれば
防げたかもしれない。

防げていたら
仁が
死ぬこともなかった。

そして
星羅の瞳が
あんな風になることもなかった。

俺達は
後悔し続けている。

だからこそ
今から
起こるであろう
事件は
絶対に防ぐ。

俺の…
俺達の…



命をかけて…




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