七転び…八起き?
ということは
こいつらの狙いは『嵐蝶』じゃなくて…その盗んだ『犯人』?
「ま、『アイツ』を匿った時点で…『嵐蝶』も終わりやけどな。」
「…!言わせておけば図に乗りやがって!!」
ガン、と秋夜地面を蹴った
ここまで言われて襲わないってことは
ある程度『嵐蝶』の総長に制約を与えられてるってことか…?
そうだとしたら、『嵐蝶』はそこまで悪い族って訳じゃなさそうだけど…
「『アイツ』って、誰だよ?」
私の言葉に、ヤクザはニヤリと笑った
「俺らも若に言われた時はビビったわ…なんせ、『アイツ』は2年程前に死んだ思ってたからなぁ。
一般人でも聞いたことはあるやろ?関東の方で名を上げている、どこの族にも属さない孤高の一匹狼の存在。」
ドクン、と何故か鼓動が速くなっていった
嘘だ…まさか…
「伝説と謳われた…『舞姫』や。」