社長の旦那と恋知らずの妻(わたし)
「嘘でしょ?」
「いや、本当だっていうか気付いてないのは優子だけ。クラス全員ゆー坊の気持ち知ってたし。ねぇ?」
鈴木君が…?
あの鈴木君が私を??
「まさか」
だって鈴木君は私のシャーペンを奪ったり、2日に1回のペースで意地悪してきたんだよ?
あれはイジメと言っても過言じゃない。
「優子って本当に鈍感だねー」
「そんな事ないよ」
「ね、彼氏いるの?」
「いないよ」
‘彼氏’は居ない。
拓斗さんっていう旦那は居るけど。
「まさかとは思うけど…。今まで誰とも付き合った事ないとか?」
私はこくっと頷くと、周りから悲鳴に近い叫びが聞こえてきた。