社長の旦那と恋知らずの妻(わたし)
そんな悲鳴に似た叫びの所為で、遠くにいたクラスメート達が何事だという感じで視線を向けてきた。
「すげぇ盛り上がってんなー」
「お前ら煩すぎ」
そして、そんな言葉が聞こえてくる。
「だって、優子がー」
「三浦がなんだって?」
「付き合った事ないっていうから!」
恥ずかしくなり思わず俯く。
そりゃあ、本当の事だけど大勢の前でそれを言われると恥ずかしい。
「三浦が?」
「マジかよー!」
「ありえねぇー」
―――ガラッ―
「大学生にもなってゼロって三浦はファーストキスもまだかよ」
「付き合ってなくてもキスくらいはあるだろ。三浦、キスの経験はどーなんだよ!」