社長の旦那と恋知らずの妻(わたし)
身長があの頃よりも高くなって見た目も大人っぽくなっているけど、やっぱり鈴木君はあの時と同じ鈴木君だ。
「それで、三浦」
「うん」
「さっきの続き聞きたいんだけど」
さっきの続きって…
「三浦のファーストキス」
‘ファーストキス’
全く戸惑いもせずそう言った鈴木君の言葉に自分の顔が赤くなるのが分かる。
だって、キスだよ!?
キスって口と口が触れ合う行為だよ?
「三浦、言えよー」
「優子ちゃん頑張って」
言いたくないけど言わなきゃいけないのかな?
こんなに沢山のクラスメートの視線が向けられてる中でないって事を言わなくちゃいけないなんて。
「わ、たし…」