社長の旦那と恋知らずの妻(わたし)
拓斗さんが用意してくれて、わざわざ私の目の前に置いてくれたのは黒と白のドット模様をした可愛いマグカップ。
「ありがとうございます」
湯気がたっているカップにフーッと息を吹きかけてる拓斗さんと、それに対して私はフーッと息で冷ます事もなくゴクッゴクッ勢いよく中身を飲む。
ん〜、100%ものは美味しいなあ!
「2LDKだ」
「え?」
「この家は2LDKだ」
あ、そういう事か。
いきなり拓斗さんが2LDKなんて言ってきたから分からなかった。
「どうする?狭いと感じるなら引っ越すが」
「引っ越しですか?」
「あぁ、別に新居ではないから引っ越しても俺はどうって事はない。するかどうかは優子に任せたいんだが」