社長の旦那と恋知らずの妻(わたし)
へぇ〜、串田さんは幹さんという名前なんだ。
少し落ち着いた私は串田さんの顔を見上げれば、髪型も服装も私が串田さんと初めて会った時と殆ど同じで、黒髪を後ろにキッチリ流して切れ長の目に眼鏡をかけていた。
やっぱり拓斗さんと同年代っぽくて同じく大人の雰囲気がすごい。
拓斗さんも大人な感じだけど串田さんには負けちゃうっていうか。
独特なミステリアス感は串田さんの勝ち。
「どうされましたか?」
「えっ」
「私を見てらっしゃったので」
バレていたんだ…
串田さんを観察していた事。
「大人だなぁと思って」
「大人ですか?」
「ごめんなさい。拓斗さんとは違う、その大人の魅力って言うんですか?あの何と言うか串田さんは大人だなぁと」