社長の旦那と恋知らずの妻(わたし)
触れている拓斗さんの肩が異常に熱い事に気付き、私は拓斗さんのおでこに手を当てた。
――熱っ。
おでこに触れてみればものすごく熱く、38度は確実にある事が分かる。
救急車を呼んでもいいのかな?
こんなに苦しそうだし、呼吸も苦しそうだし、ものすごく熱だってある。
「……っ」
「拓斗さん?」
「…う…か、優子」
うっすらと目を開けた拓斗さん。
「拓斗さん…。こんなにひどい事を気付けなくてごめんなさい」
「大丈夫だ」
「大丈夫なはずないです。救急車呼びますから!もう少しの辛抱です」
私は電話を取りに行こうとした時。
「待て」
と、いう掠れた声と共に腕を掴まれた。