社長の旦那と恋知らずの妻(わたし)



「――どうぞ」





体温計と薬とペットボトルを渡すと、拓斗さんは薬を口の中に放り込みミネラルウォーターをぐぐっと飲んだ。


あまりにもぐぐっと飲むからペットボトルの中身は後数センチしかない。


すごく喉が乾いてたのかな?





「計らないんですか?」

「いい」

「でも、一応…」





熱がある事は分かってるけど、何度あるのか把握する為にも計った方がいい。





「戻しておけ」





ほら、と私に体温計をつき出す拓斗さん。


そんなに計りたくないんだ…





「お腹は空きませんか?がっつりしたものはダメですけどお粥とか」

「あぁ」

「じゃあ、急ピッチで作ってきます。拓斗さんは部屋で待っててくださいね」



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