社長の旦那と恋知らずの妻(わたし)
□Consultation
あれから雑貨屋さんでお弁当箱を書いスーパーのタイムセールにも参加し、さあ帰ろう!と歩いていた時。
「あーっ」
道ばたでいきなり叫んだ私が、しまったと感じ口を塞ぐよりも前に心の中がスーッと…
詰まったようなモヤモヤは一気に吹き飛んでいった。
「思い出した…」
思い出したというのは、つい数時間前のエレベーター内で会った会った気がする高山卓土さんの事を。
その高山さんといつ会ったのか思い出した…
目の前でウィーンと動く自動ドアを見て。
「昨日の…」
高山さんは昨日電車で痴漢にあった私を助けてくれた人だ。
昨日の出来事だったのに、今の今まですっかり忘れていたなんて…