社長の旦那と恋知らずの妻(わたし)
「やっぱり。三浦に似てると思ったら本人だったんだ」
私の名前を呼んだのは鈴木くんだった。
鈴木くんと会うのはあの日の同窓会以来。
「同窓会の時は驚いたんだからな〜。三浦と林がいきなり帰るから」
「あの時はごめんね。まだ始まったばかりの同窓会なのに途中で帰っちゃったりして」
拓斗さんが倒れたと聞いた私すごくパニックになってしまって、どうやって同窓会会場から出たかすらよく覚えていない。
「あ、その人はもしかして三浦の彼氏?」
「ううん。違うよ」
「へぇ、じゃあ友達なんだ?」
卓土さんを友達って言ってもいいのかな?
鈴木くんに卓土さんの事を。
「初めまして。優子ちゃんの友達の高山です」