社長の旦那と恋知らずの妻(わたし)
「卓土さんも、いきなり大声だしてごめんなさい」
「俺の方こそごめんね?」
いや、あの、そう言ってくれるならもう笑うのやめてくれません?
「ハハハ。ところで優子ちゃんってどこ中?」
笑いすぎの卓土さんに私は苦笑いをしながら中学校の名前を言うと…
「遠くなかった?その地区から待ち合わせ場所。言ってくれれば近くまで行ったのに」
そう思われても仕方ないか…
「最近引っ越したんです」
「引っ越し?」
頷きながら拓斗さんと住むマンションの周辺にある建物の名前を伝えれば…
「だから待ち合わせは…」
「そうだったんだ。その辺りと言えばうちの社長もその辺りに住んでるんだよ」