社長の旦那と恋知らずの妻(わたし)
私が寝てた所為で夜ご飯を作ってない私には選ぶ権利もないし、ここは拓斗さんが選ぶべき。
「分かった」
「ありがとうございます」
「適当に選んで頼んでおく」
と言って自分の部屋に入っていってしまった拓斗さん。
そんな拓斗さんの姿を見ながら後でちゃんと聞こうと心の中で誓う。
少しだけ、いや、かなり聞くのは怖いけど先に覚悟していた方がいい。
離婚しようと拓斗さんに言われてしまう前に。
「怖いよ。怖いよ…。こ、わいよ」
リビングのソファーに座りながらそう呟く。
だけど、拓斗さんに幸せになってほしい。
だってそうでしょう?
結婚は愛する人とすることだから美人な元カノさんと結婚したら拓斗さんは幸せになれるはずで。