社長の旦那と恋知らずの妻(わたし)
だったらどっちでもいいと思うけど、どうして私のはこっちと言ったのかな?
なんて思っていたけどお寿司を食べてその理由が分かった。
「あ…っ」
思わず美味しいよりも先に声が出た。
何度モグモグと噛んでもちっともあの辛さを感じない。
「もしかして拓斗さんは知っていたんですか?私がわさびが食べれない事を」
どうも私はわさびを食べた後にツンっとする感じが苦手で駄目。
拓斗さんはそれを知っていたからわさび抜きを頼んでくれたの?
「あぁ」
違うかもしれないと思ったけれど本当にそうだったんだ。
嬉しい…
拓斗さんが私がわさびを嫌いな事を知ってわざわざわさび抜きを注文してくれた事に思わず頬が緩む。