社長の旦那と恋知らずの妻(わたし)
お寿司はとっても美味しくて、さっきは少しだけど拓斗さんの笑顔が見れて今日はハッピー続きだ。
そのハッピー続きで寝てしまい夜ご飯を作れなかった現実まで忘れてしまう程に。
「優子」
「はい」
「優子は…」
そう言った拓斗さんはお箸を置く。
どうしたんだろう?
「いや、なんでもない」
何か言いたげだったけど、一体何を私に言いたかったのかな?
優子はって途中までいいかけたのに。
――というかお寿司の美味しさに私何か大事な事を忘れてる気がする。
あっ、元カノさんとの結婚を聞かなくちゃいけないんだ。
そして飯田コーポレーションの人に結婚した事を言ってない事も、この二つを私は絶対に聞きたいんだった…