社長の旦那と恋知らずの妻(わたし)
不思議に思われて当然だ。
そう思いながらもその数人は一体誰だろうと考える私は変かもしれない。
会長であるお義父さんと会長夫人のお義理さんは当然知っているし、あとは秘書の串田さんでしょう?
初めて行った時の感じからして専務さんも私の存在を知ってるぽいし。
「あぁ、あれか」
「拓斗さん?」
「この前優子が来た時、うちの社員が優子に何か屈辱的な事を言ったと串田から聞いた」
屈辱的な…?
「だから、聞いたのか?」
「違います」
きっぱりとそう答えた私。
それなら?と拓斗さんに聞かれる事も考えずに。
電車で痴漢から助けてくれた卓土さんから聞いたとは言いにくいし、第一痴漢されたのは青葉って事になってるし。