社長の旦那と恋知らずの妻(わたし)
そんな当たり前な事聞かないで!と力任せにバンッとテーブルを叩く青葉に、溜め息があふれてくる。
「それならなんで言ったの?」
「優子がこのリアクションを求めてる気がして」
私が求めてる?
学生の時から青葉と居たけど流石に今日の青葉は嫌だ。
初めて青葉の性格を知った時のあの衝撃と似ているかもしれない。
「でも、驚いたのは本当」
「え?」
「これから先の事は分からないじゃん。それに、優子ってかなり単純だしそのメール男に優しくされたらコロッと落ちちゃう可能性だって」
確かに卓土さんは優しいけどコロッと好きになっちゃうなんてある訳ない。
だって私には拓斗さんが…
「変化あったら報告して。分かった?」