社長の旦那と恋知らずの妻(わたし)
「確かにお金に不自由しないって事は住む場所もご飯にも困らない。だから親としてはすごく飯田さんを見てると安心よ。ここよりもリッチな暮らしが出来、尚且つ飯田さんのご両親にも優子は歓迎されてて」
ズズズッとお茶を啜りながらお母さんはお煎餅をパリッと割る。
「それに加えて飯田さんは3高!」
「3高?」
「これはプレミアよ。プレミアム」
お母さんが言う3高ってなに…?
「本当飯田家には足を向けて寝れないわよ」
「ねぇ、お母さん。さっきお母さんが言った3高って?」
そう聞いた私に対してお母さんは驚いたような顔をした。
「3高を知らない?」
「うん」
「じゃ、今時は一体なんて言うのよ。3高じゃないなら」