社長の旦那と恋知らずの妻(わたし)
「分かったなら返事したらどうだ?」
「え、はい」
適当に返事した後に気付く。
はい、と言ってしまったから今日は予定通り卓土さんとランチだと。
だけどそれで本当にいいのかなぁ?
気にするなと言ってくれたけどそんなの絶対無理な私は普通に気にしてしまう。
拓斗さんがお休みの日に私は遊びに行く事を。
卓土さんには申し訳ないけど急に行けなくなったってお断りしよう。
だからまずは拓斗さんに。
「あの、拓斗さん」
「優子」
「なんですか?」
「座ったらどうだ」
あ、立ったままだった。
すみませんと謝り椅子に座ると拓斗さんは朝ご飯へと手を伸ばした。
私が座らなかったから拓斗さんは食べれなかったんだ。