社長の旦那と恋知らずの妻(わたし)
そしてもうひとつ。
これは味に関わることではないけれど、わざわざ会いに来てくれるのは嬉しいけど本当は私が行った方がいいのかなって。
お義母さんがここへ来るのではなく私が拓斗さんの実家にいく方がいい気がする。
「とてもいいお味ね。薄くもなく濃くもなく身体にも良さそうで好きな味だわ」
良かった…
私はホッとし頬を緩める。
「主人にも食べさせたいわ」
「そんな…」
「あら、本当よ。こっちももう少し食べてもいいかしら?」
こんなにもお義母さんから料理を褒めてもらえるとは思わなかった。
「ふふっ。ウインナーがタコの形してて可愛いわ」
「私のだけこうしました。小さい時からタコさんの形をしたウインナーが好きなので」