社長の旦那と恋知らずの妻(わたし)
□Marriage partner
「―…こ」
「んっ、もう少し」
「ゆ……、優子」
肩をゆらゆら揺らされて、もう少し寝たいという気持ちと戦いながら重たい瞼を上げるとぼんやり見える何か。
それが何かを確認したくて目を擦りながら視界を徐徐にクリアにしていくと――
「起きたか?」
うわっと驚いた私は後退りをする。
「た、拓斗さん…」
「待っててくれたのか?」
「えっ?ああ、はい」
私、寝てしまったんだ。
拓斗さんの帰りを待とうとしてテレビをつけたけど面白くなくて、それからは思い出せない。
「ふて寝…?」
そうそう、そうだった!
ソファーでふて寝するように寝たんだ。