社長の旦那と恋知らずの妻(わたし)



なんて思い串田さんのスーツをはなした時。





「もう社長室の前に居るわ。少し串田さんと話し込んでいたのよ。全く拓斗ってせっかちよね〜。今行くから待ってて」





初瀬さんが電話の相手に言ったその言葉で、電話の相手が拓斗さんだと分かって、ここから逃げる為に足を動かしたいのにピタリと足が動かなくなった。


早く逃げた方がいいのに…





「それもそうと、拓斗に聞きたい事があるの。串田さんにくっつき回ってる黒髪の女の子って拓斗の姪かなにか?」





――ドキッ。





「見た目はそうね。中〜高校生くらい」





それ以上詳しく言われたら…





―――バタンッ―





そんな音が背後から聞こえてきた。


まさか、まさか…!



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