社長の旦那と恋知らずの妻(わたし)
このままだとコケると分かった私は反射的に瞼を下ろす。
ドスンッと廊下で尻餅をつきお尻の痛みに耐える予定だった、のに全然痛みが襲ってこない上に私の腰まわりになにか違和感が。
「大丈夫か?」
少し経ってやっと腰の違和感と今の状況を理解した時、ドックンドックンとものすごく胸が高鳴り体温がどんどん上がっている気がした。
「た、きゅとさん」
嬉しさと驚きとそんな展開に思わず噛む始末。
「優子、どうしたんだ?」
拓斗さんが優子と名前を呼ぶ度私の耳に息がかかり、なんというかとってもとってもこそばゆい。
「はなして下さい…!」
私がそう言ってから、腕の力を抜きパッと私をはなしてくれた拓斗さん。