社長の旦那と恋知らずの妻(わたし)



確かに私は何時に帰ってきますか?ってあの時拓斗さんに聞いた。


今日は出張ですか?なんて拓斗さんに聞いてないけど、ちゃんと出張だから帰ってこないんだって言ってほしかった。





「た、くとさん!出張なら出張だって言ってください。これからは私に伝えてほしいです」





泣きたくないのに今にも涙が溢れそうなのは、悲しいから悔しいから。


――そして嬉しかったから。


ここで泣くのは嫌と、グッと押さえていると。





「はぁ」





拓斗さんが髪を掻き上げながら鬱陶しそうにはぁと溜め息をついた。


いつも拓斗さんって溜め息ばっかり。


入籍した日だって沢山してたし私が近くに居ると止まらないの?


こんな私にうんざりして止まらなくなるのかな??



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