社長の旦那と恋知らずの妻(わたし)



私の友達でいたくないから卓土さんは嫌だとはっきり言ったんじゃないの?


友達でいての返事に嫌と言う事に他の意味なんてないはず…





「俺は優子ちゃんが好きだよ」





私も卓土さんが、って――





「それって…」

「分からない?俺は友達としてではなくて1人の異性として優子ちゃんが好きなんだよ」





え、え、えっ…?





「こんな所で言いたくなかったなぁ」





あ〜、と小さな声で叫びながらくしゃくしゃと前髪を掻く卓土さん。





「あ、あ、あ、あの」

「うん。落ち着こうか」





噛み噛みの私を見て笑みを浮かべる。


落ち着こうかって言われても、そうですねって落ち着ける訳がなくて。



< 377 / 635 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop