社長の旦那と恋知らずの妻(わたし)



ハンカチ、ハンカチ、ハンカチハンカチ…


漸く鞄から取り出したハンカチを掴み鞄のチャックをしめようとした時。





{ブルルルブルルル}





鞄に奥にいる携帯が震えだした。


誰からだろう…?


携帯を開き画面を見てみれば‘着信:串田幹’という文字が。


この電話、串田さんからだ…





「電話?」

「はい」





出なくちゃいけないよね…?


私はボタンを押した。





『奥様ですね?今はどちらにいらっしゃいますか??』





串田さんの声と共に向こうからザワザワとした雑音が聞こえてくる。





『タクシーですか?』

「違います」

『では、どちらに』

「まだ外に出てないです」



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