社長の旦那と恋知らずの妻(わたし)
「電話は終わりました」
「そっか」
「あの…。本当に色々と迷惑かけてごめんなさい」
ここに連れてきてくれた事も、卓土さんとの会話の途中だったのに電話に出た事も、私は卓土さんに迷惑かけてばかりだ。
「うーん。彼女になってくれるなら許す」
えっ。
「なんて冗談だけどね」
「冗談ですか…」
冗談だと知りホッとする。
卓土さんに異性として好きと言われてとても嬉しかったけど、今の私は拓斗さんが好き。
そんな気持ちのまま卓土さんとお付き合いするなんて出来っこないもん。
それにそう言った意味じゃないかもしれない。
卓土さんの好きは。
異性として好きだけど付き合いたくはないかもしれないしね。