社長の旦那と恋知らずの妻(わたし)
「優子ちゃんはどう思ってるか知らない」
「……」
「薄く軽い気持ちだろうとかただ単にからかってるんだろうとか。優子ちゃんが抱く俺の印象は俺は知らないからね」
それにね?と卓土さんは続けた。
「だから、優子ちゃんにこれだけは伝え教えてあげる。薄っぺらくない。俺は本気で優子ちゃんを好きだから。本気だから優子ちゃんも考えてほしいんだ」
そんな真剣に言った卓土さんに思わず胸が高鳴る。
だって、初めてだから。
男の人にそんな言葉を言われるなんて――
「何してる」
そんな声が聞こえてきて、卓土さんにああ言われ高鳴ったはずの胸が、比べ物にならないくらい早くなった。
ドッドッドッドッと――…