社長の旦那と恋知らずの妻(わたし)
「あぁ、そういう事か。全体の流れが大体分かった」
「そうですか」
「勘違いさせたのは俺だったんだな」
と言い拓斗さんは私の頭を叩いた。
叩くと言っても力強く叩いてるわけではなく、所謂でいう頭ポンポン。
「優子は俺と菫がキスしたと言ったが、本当に優子は俺と菫がキスした瞬間を見ていたのか?」
キスした瞬間…?
拓斗さん達が立ってた位置から私の居た位置はまあまあ離れていて、それでも拓斗さんと初瀬さんだとは分かる距離だった。
そうだけど唇同士が触れ合う所までは見てない。
「でも、あれはどう見てもキスでした」
私だけではなく周りの人だってそう言ってた。
まあ、言ってたのは小さい女の子なんだけども。